バンコク出身バンコク住在 30代♀

 タイのある田舎の実家に帰ったときの話。親戚がたくさん集まっていたので、実家ではなく町中にある安いホテルに泊まった。部屋に入った瞬間、嫌な空気を感じたものの、私は親戚2人と一緒に泊まるので気にしないことにした。部屋はツインベッド。入り口を入ってすぐ左にソファ、真ん中にベッドが2つ並び、奥にトイレという造り。私は親戚のうちの1人と一緒にソファ側のベッドに寝た。

 深夜、すね辺りに痛みを覚えて目が覚めた。目を開けるとベッドの横に男の人がいて、私のすねをギューッとつかんでいた。すぐに幽霊だと分かった。
「痛い痛い。やめて」
というとその男はすねをつかんだままソファに腰掛けた。こちらを覗き込むようにじっと見ている。すごく痛かったし、すごく怖かった。
「明日の朝、お寺に行って功徳してあげるからもうやめて」
と私はお願いした。すると男は私のすねから手を離してドアの前まで移動し、自分はこのドアのところで死んだと示すかのように、ドアの前で横たわってみせた。そして立ち上がって部屋の外に出ていってくれたのだが、ドアの向こうからじっと見つめられているような気がした。その後は寝直した。

 翌朝すぐお寺に行った。後日、姪っ子にあたる親戚の子が、
「どの部屋か分からないけど、あのホテルで殺人事件があって一時期閉業していたみたい」
と話していた。

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