バンコク在住 28歳♂ 

 小学5年生の夏休みに、仲のいい友達のAと共に、「子どもの寺修行キャンプ」に参加したときの話。大勢の子どもたちが数日間、寺に寝泊まりして修行をするというもので、夜の修行は3階建てのビルの2階で行われる。

 ある夜、修行を終わるとそれまでずっとトイレを我慢していた僕は、Aと一緒にトイレに向かった。だが、2階のトイレはすでに長い行列が出来ていた。限界が近づいている僕は、やはりAと一緒に3階のトイレに向かうことにした。

 3階は誰もいないらしく、真っ暗だった。建物の造りは学校と似ていて、長い廊下の片側に部屋が並び、反対側は全て窓だった。だから僕は、暗くても真っ直ぐ歩けばトイレに行き着くと思った。持っていたストレートボディ型の携帯の画面を頼りに、廊下を照らしながら前に進んだ。

 無事にトイレに着いて用を済ませた後、携帯の光だけではあまりにも暗いので、トイレの電気を付けっぱなしにして2階に戻ることにした。来たときより少し明るい廊下を歩いていると、前方からドアノブをガチャガチャ回す音が聞こえてきた。僕とAは驚いて立ち止まる。すると、手前の部屋のドアが開いて、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくる、ゴラムのような何かが物凄い速さで這いずりながら出てきた。ゴラムは、そのまま反対側の窓をすり抜けて消えていった。僕とAは、廊下の向こう側にある階段まで全力疾走した。

 その後、僕とAは変なものを見ることなく、修行を終えることが出来た。


20200702-001
こんな感じ。。。